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【京都の旅】アール・デコ風のノスタルジックな近代建築「壽ビルディング」

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四条河原町を南に下がったところに佇む、「壽(ことぶき)ビルディング」。

現在は、ファッションブランドの「ミナペルホネン(mina perhonen)」や、子どもの本専門店の「メリーゴーランド」が入っています。

今回は、昭和初期に建てられた、レトロでノスタルジックな雰囲気を味わえる「壽ビルディング」をご紹介します。

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「壽ビルディング」の場所と外観

「壽ビルディング」は、京都市下京区の河原町通り沿いにあります。阪急の「河原町駅」から南に3分ほど歩くと、左手に見えます。

こちらが外観の様子。

石造りの建物のレトロな雰囲気と、石畳の歩道がマッチしています。

「壽ビルディング」(旧・商工ビルディング)が建てられたのは1927年(昭和2年)。国の登録有形文化財と、歴史的風致形成建造物に指定されている、重要な建造物です。

昭和初期の近代建築が100年近く、およそ1世紀の間も現存していることに驚きました。

扉上の、右から左に向かって書かれた「壽ビルディング」のフォントも素敵です。

神戸・大阪・京都レトロ建築さんぽ

「壽ビルディング」の建物内の様子

正面からは、「ミナペルホネン」の素敵な店内の様子が見えます。

手前に置かれている小さな看板には、展覧会の情報が記載されていました。

玄関口のタイルも美しい配置で、玄関の壁には大理石が使用されています。

壽ビルディングの現在のテナントはこちらです。

中に入ると、白の内壁と、ダークブラウンの木造階段の美しさに目を奪われました。

天井の高さ、梁の造り、内壁を縁取る直線的なデザインなど、建物全体が芸術的です。

端正で重厚感のある雰囲気は、邦画で見るような、旧制の校舎を彷彿とさせます。

内外観は簡素な意匠を基本としつつ、正面玄関や階段にアール・デコ風意匠を取入れ、一階外壁の石張や柱形頂部にアカンサスなどの様式主義的要素を備える。京都中心部に残る昭和初期の事務所ビルとしても希少。

「国指定文化財等データベース」より

建物内に入って右手側には、ガラス張りの展示がありました。

「壽ビルディング改修工事記録展示」とあり、建物の老朽化に伴い、2015年の改修工事の様子が記録されています。

「壽ビルディング」を建築当初の状態へ近付けるための大規模な改修工事が行われたようです。

その際、裏側に新たな建物を増築したようで、奥の扉を抜けた先にはエレベーターや非常階段があります。

「壽ビルディング」の繊細な建築美をご紹介

「壽ビルディング」は、部屋ごとに扉のデザインが違っていたり、扉にはレトロな形をした鍵穴があったりと、意匠を凝らしたデザインが散りばめられています。

木製の階段に施された装飾も、現代の建築では中々見ることのないクラシカルな形状をしています。

縦長の窓ガラスは、下の段に磨りガラスが使われていて、外から差し込む光や風景が穏やかな雰囲気になっています。

窓の鍵も、今では見かけない形ですね。

ドアノブと鍵穴は、「不思議の国のアリス」のドアノブを彷彿とさせる形です。

形の違うドアノブ。建築当初に違うデザインが選ばれたのか、改修工事の際にデザインを変更したのか、気になります。

階段の上部にある飾り。ユニークな形状ですが、アール・デコ建築ではスタンダードな装飾なのでしょうか。

階段を上がるごとに、建物内の雰囲気も少しずつ変わっていて楽しいです。

木製と真鍮を組み合わせた手すりは、傷の深さに、建物の歴史を感じます。

階段から見下ろした構図。

写真では分かりづらいですが、各階に吊り下がっているシャンデリアも綺麗な模様です。

窓ガラスや壁などのアートには、それぞれのテナントショップのこだわりと創意工夫が見られて楽しいですよ。

ちなみに、5階にある子どもの本専門店「メリーゴーランド」の立て看板は、『太陽オルガン』などで人気のある絵本作家の荒井良二さんがイラストを描いています。

5階では展覧会が行われていることや、美術系の展覧会等に関するフリーペーパーが置かれているので、ぜひチェックしてみてください。

おわりに

京都の歴史的な近代建築を代表する、「壽ビルディング」。

河原町の周辺には、「壽ビルディング」をはじめとして、至るところに重要な近代建築が残されています。

ぜひ一度、訪ねてみてくださいね。

外の窓には鳥のモニュメントが飾られていました。

名称    壽ビルディング(ことぶきビルディング)
住所    〒600-8018 京都府京都市下京区市之町251
最寄り駅  阪急『河原町』徒歩3分
※入館可能な時間につきましては、各テナントショップの営業時間をご確認ください。

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